いつのまにか笑ってる。
いつのまにか走ってる。
僕は、この世界に惹かれ始めたのかもしれない。
intelligence.
「やぁ、!」
「こんにちは。」
は昨日のマルフォイを
黙らせた一軒であっという間に有名になった。
「ハリー、さっきの人は誰だか分かるかい?」
は挨拶を交わして通り過ぎた
茶色の髪の少年を振り返って見つめ、
ハリーに小声で聞いた。
「ううん、知らない。でもネクタイの色からすると
レイヴンクロー生だよ。」
ハリーは肩をすくまして苦笑いをした。
それからは廊下ですれ違うたびに
寮を問わず(スリザリンは別として)声を掛けられたりするのである。
ハリーとはお互いに顔を見つめると苦笑いをして次の授業、占い学の教室へと入った。
(ロンとハーマイオニーは良い雰囲気だったので置いてきた)
教室の中はもうすでにグリフィンドール生が席についていて、
ぱらぱらとレイヴンクロー生が入ってきたりしていた。
(レイヴンクローの半数は同じ時間に行われる“マグル学”を取っている。)
教室の中はいつも通り熱くて色々な甘ったるい香がたかれていていた。
ハリーや他の生徒はもう慣れてしまっていた。
「う・・・・なんだこの匂いと熱さ・・・」
は教室に入った途端眉間にしわを寄せ、腕で口と鼻を押えて唸った。
ハリーはそんなの様子を見て苦笑いする。2人は一番後ろの窓際の席に座り、
窓をほんの少し開けては窓際に座った。
「僕、匂いで具合悪くなるんだよ・・。」
「うん、分かる。僕もそう。こんな匂いとか特に駄目。今じゃなれちゃったけどね。」
ハリーが慣れれば平気さ、とに悪戯っぽく微笑むと
は冗談きついぜ、と目を細めて首を振った。
ハリーとが話をしていると、前の教卓にトレローニー先生が何時の間にか来ていた。
まるで煙のような現れ方だ。腕や首に真珠のような数珠をじゃらじゃらとつけている。
トレローニー先生が来た事に気付いた生徒たちは私語を止め、先生に注目する。
「まぁ・・・今日は初めてこの授業を受ける方がいらっしゃいますのね」
トレローニー先生は静かになった教室の中をぐるり、と目だけで見渡すと、
霧のかかったような、あの独特の声を出した。
とハリーはぼぅっとする頭でトレローニー先生を見ている。
「そう、Mr.ポッター。
貴方のお隣の・・・そう、貴方でしょう?名前は・・・」
「です。・。」
はトレローニー先生の言葉を引取った。
トレローニー先生は目を細めてをしばらく見つめると
「そう・・・Mr.。貴方がお考えの事は近い未来に起こりますよ・・・突然に。」
「はぁ・・・」
は何とも気の抜けた声を出した。
ハリーは隣で笑いを必死に押し殺そうとしている。
「Mr.ポッター。
貴方もそうそう笑ってはいられなくなるでしょうね!
あたくしにはそう見えますの。」
トレローニー先生はが思った反応を見せかったのが
気に入らなかったらしく、授業中様々な不吉な予言をしまくった。
は朦朧とする意識の中で、早く終ってくれ、と何度も呟いてトレローニー先生の予言を聞き流していた。
「何だか疲れるな、この授業は・・・」
授業終了後、はぼつり、と囁いた。ふらふらと足元が頼りない。
ハリーはのノートやら持ってあげようと手を差し出したが、は首を横に振ってハリーに力なく微笑んだ。
「いつもこうだよ。先生は人の不幸を知るのが、予言するのが好きなんだ。」
ハリーは振り返って先生を崇拝する生徒(パーバティとか)がいないかどうか確かめてから云った。
談話室につく頃になるとの具合悪さは治ったようで、元のはきはきとした感じに戻っていた。
ハリーとはいつもハリーとロン,ハーマイオニーが陣取っている机が真中にあるソファに
座って占い学のことについて話し始める。
「ねぇ、。 先生が言ったこと、本当?」
ハリーが聞きたくてうずうずしていたように身を乗り出してに問う。
「僕が階段から落ちて首の骨を折ることかい?」
は眠たそうに目をごしごししながら応えた。ハリーはそのの何だか平和なしぐさに
ちょっと吹き出しそうになった。
「ううん、それじゃなくって、授業の初めに先生が言ったこと。」
「・・・・・あぁ、僕の考えてる事は近い未来に起こるってやつ?」
ハリーに言われて、はちょっと考えてからあぁ、と手をぽんと打った。
「ううん、知らない。 僕の考えてる事は・・・・・」
―――僕の考えてる事、 僕がホグワーツに流された理由、僕の知る、真実―――――
「今日の夕食のメニューだよ。」
「予言にもならないね。」
は一瞬言おうか迷って、その言葉を飲み込んだ。
ハリーはクスクスと笑い、も其れにつられて笑った。
「やぁ、ハリー。?」
2人が笑っているとの後ろから声がかかった。
ハリーはから後ろに視線を移すと
「やぁ、ロン、ハーマイオニー」
と和やかに手を振った。も振り返って微笑む。
途端に、談話室にいた女子生徒の集まりから小さな黄色い歓声が上がった。
ロンはそんな様子を見て、
「、君は今年のバレンタイン大変だね。」
ニヤリ、と意地悪く微笑んだ。
ハーマイオニーはハリーに視線を移してクスクス笑った。
「今年も来るかもね?コリンとジニ―。」
途端にハリーは顔を引きつらせた。は首をかしげてロンとハーマイオニーを見た。
2人は顔を見合わせると笑い、そしての隣に座ると
「コリンっていうのは、ハリーが大好きでさ。
いつも写真を構えてる。ジニ―って云うのは僕の妹。
ホグワーツに入学する前からハリーにお熱さ。」
ロンがぼそぼそとに云う。ハリーはその光景を見て、嫌そうな顔をしていた。
はロンから説明を聞くとハリーに向って意地悪く微笑んだ。
「今年のバレンタインは楽しみだね。」
夕食が終った後、消灯までにロンとハーマイオニー、そしてハリーから
様様な事を教えてもらった。
ロンからはチェスのやり方、試合などをし、
ハーマイオニーからは薬草や、勉強がいかに楽しいか、
ハリーからはクィディッチの事を聞いた。
「皆凄いんだな・・・。知識の宝庫みたいだ。」
は感心して云うと、三人は照れたようにお互いを見てはにかんだ。
「そんな事無いわ。私はただがり勉なだけよ。」
ハーマイオニーは嬉しそうに目を細めてに云った。
「僕だって、チェス以外は何にも得意じゃないんだ。」
ロンも赤い髪に負けず劣らす耳が赤かった。
「僕はただ空を飛ぶのが好きなだけ。
後の力は多分・・・ヴォ・・・『例のあの人』から移ったものだろうし。」
ハリーは後の方を濁すような言い方だった。
はそのことに関して何にも聞かなかった。
「僕、君達に負けないように勉強しなくちゃ。 空はまだ飛んだことが無いし、テストだって受けてない。」
は肩をすぼめて見せると、ハリーたちはクスクス笑った。
「そんな事無いよ。 君はマルフォイを黙らせたし。今じゃ皆の憧れかもよ?」
ハリーが茶化すように言うと、ロンはコリンのカメラを構えるマネをした。
「ハーイ、!こっち向いて!」
「おぃおぃ、よしてくれよ。」
は笑いながらロンの前に手を突き出して追い払うしぐさをした。
ハーマイオニーはそんな様子を見て笑いをこらえていたが、ついに吹き出してしまった。
四人は声をあげて笑った。
「楽しいな、此処は・・・」
はすっかり暗闇に包まれた窓の外に視線を向けて、ふ、と微笑んだ。
ハリーもロンもハーマイオニーもと同じように窓を眺める。
大きく欠けた月が灰色に染まった雲の中に隠れようとしていた。
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