Sneer
















その紅い瞳には覚えがあった。
いつ、何処で見たのかは覚えていないが
、とにかく覚えだけはあった。



恐ろしい程綺麗な微笑み。



紅い瞳が真っ直ぐ自分を見つめている。
体が金縛りにでもあったかのように動かず、
その近づいてくる少年の瞳を見つめ続ける事しか出来なかった。



やがてその少年はの前に辿り着き、
そこで立ち止まった。






丁度人一人分の間隔。
向かい合った二人は互いに目を真っ直ぐ見つめて、
そしてゆっくり瞬きをした。
少年の目を真っ直ぐ見つめていたの蒼い瞳に
少年は再び目を細めて微笑みかける。






「本当に…君と僕は似ているね。」







少年の紅い瞳は深くて、
その紅い色だけがを捕らえて離さなかった。





“似ている”


その言葉には息をのんで目を見開く。
驚かずにはいられなかったのだ。


何故ならその科白は今となってはもう、
恐らくこの姿のまま二度と会うことは出来ないだろう、
未来にいるとある人物が彼に言ったものと同じだったので。
そして、今、目の前にいる少年も
その少年の言うようにどことなく似ているのだ。
そう、いつしかあの科白を言った彼、ハリー・ポッターに。






「・・・君は・・・」




あぁ、なんだろう。
この、身体の中から冷たくなっていく感じは。




はぐっと手を握り締めた。
その様子に、少年は小さく笑いを漏らす。
そして、妙に青白い腕をに向って伸ばし
その頬にゆっくりと触れた。



のはその行動、一つ一つがとてもゆっくりに見えた。



少年の仕草は、恐ろしいほど綺麗で優雅だった。
姿は同い年ほどのはずなのに
全てにおいて自分より一回りも二回りも上に感じられる
雰囲気が自分に覆い被さるように漂う。








はもう、瞬きをする事すら出来なかった。



ゆっくりと指が動いて
少年の青白い指がの頬に触れた。


冷たかった。






「君は、僕の半分だ。」






瞳が、少年の紅い瞳が細くなっての蒼い瞳を
見つめていた―――。







「・・・」




不図変わった世界。
まるで画面を切り裂いたように少年は消え、
換わりにちゃんとした部屋の天井と
そしてあの少年ではない誰かが視界に入った。



もしかしなくても、自分は夢から覚めたようだ。


は寝汗をかいていたらしく、
髪の毛が頬や額に張り付く嫌な感触に
眉根に皺を寄せて手で拭った。



そして、目がさめたとき自分を見下ろしていた人物の方を見ると
その人物は一瞬ビクッとした顔をした。



「―――お前は・・っ」



その人物の、スリザリン特有ともいえる
青白い肌はもっと青ざめ、冷めた目つきの瞳は
怯えて大きく見開かれていた。



美しい金髪をもったその男性はを恐れるような目で見つめて
口を開いた。




「お前は・・・」





この異常ともいえる雰囲気の中で、はソファに横に
なっていた身体を起こしてゆっくりと立ち上がった。




真直ぐ、男性の瞳を見詰めた瞬間
自分の中で何かが変わった。





黒い布が自分を包んでいく感じ。





何か、別のものが自分の身体に入り込んでくる
そんな感じがを襲った。



「・・・ぅ・・」




思わず顔を伏せる。















そして、次に顔を上げた時、
の表情は変わっていた。



取り付かれたようにその男性の瞳を見つめ、
身体をソファから立たせた。


口角を上げて綺麗に笑う。



冷たい、笑いだった。



冷たい感情が、決しての感情ではないものが
表面ににじみ出ていく。


その微笑に、男性は怯えたようにあとずさった。





は、否、
の身体を支配するその意識は
ゆっくりと足を動かし、男性に近づいていく。







その時―――――





「・・・?」




誰かがの名を読んだ。
その瞬間の表情から冷笑は消えて
ぼんやりした表情が浮かぶ。





「あれ・・・なんでここに・・」





急に道を失ったように戸惑いを見せるをセブルスは見つめ、
は自分の手をみた。
まだ指の先が痺れているような感覚が残っていた。









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前回、ココまで一気に書く予定が・・・