アイツの蒼い瞳は
心の奥に突き刺さっていた何かを
俺に思い出させた。
The eyes.
最近、ずっと気になっていたことがあった。
こんな時期に転入生。
しかも、理由は知らないが、
何故か使われていない部屋に倒れていた。
あの日、目の前で倒れていた少年・・・
名前はと言った。
そいつの話ばかりをするジェームズに
少し苛立ちを感じ始めていた。
「あれ、ジェームズはどうしたの?」
カタン、と何時ものようにリーマスは
シリウスの隣の席に座りながら聞いた。
シリウスはコーヒーを一口飲むと、
知らない、というように首を振った。
リリーに視線を向けても
同じように首を横に振った。
リーマスは、寝坊かな、と思いながら
自分のゴブレットにオレンジジュースを注ぐ。
「最近ジェームズって、
の話ばかりだから、
一緒に来るの待ってるんじゃないかしら?」
リリーはオレンジジュースを飲むリーマス
を見ながら問う。
大広間の騒ぎが疎らな中、
其の声はシリウスにも良く聞こえていた。
リーマスは、微かに表情を濁らすと
横目でシリウスを見た。
案の定、シリウスの眉間には
不機嫌さを表す皺が数本。
それから、シリウスは視線をコーヒーに落とすと
「アイツ・・・気に食わねぇ」
と、苦々しそうに云った。
リーマスはその言葉を聞くと、
手にもっていたゴブレットを机に置きながら
ため息をついた。
「シリウス、またそれ?」
「・・・」
リーマスが呆れたように云うと、
シリウスは不機嫌そうな顔のまま
コーヒーを飲んだ。
「の何処が気に食わないの?」
リーマスは、斜め前の席に座っている
リリーに聞こえないように小声で話し掛ける。
リリーはジェームズの話しか聞いていなくて、
シリウスがを嫌っている事を知らないからだ。
其の意図を理解したのか、
シリウスはリーマスの方に顔を向けると、
蒼に近い黒い瞳を細めてリーマスを見た。
「目だ。」
何もかも知ってるような、あの瞳が。
「シリウス・・・」
其の応えにリーマスは少し困ったように
目を細めた。
シリウスはまた顔をテーブルの方へ戻す。
「でも・・の瞳、
綺麗な蒼だよね?」
後ろからおどおどと話し掛けてきたのは
ピーターだった。
リーマスはそうだよね、と微笑むと
ピーターははにかむような笑顔を見せた。
その時、
大広間の扉を開けて、
ジェームズと・・・
そして、今話題にしていたが一緒に入ってきた。
リリーが軽く声を掛けると、
ジェームズは笑顔を彼等に向けて、
「を待っていたんだ。」
そう言い放った。
リリーは嬉しそうな顔を見せ、
ピーターはジェームズと、を交互に見つめていた。
リーマスは、はっとして
シリウスを見る。
シリウスは鋭い視線をに向けていた。
も驚いたように目を見開いて
ジェームズを見ていた。
まさか、自分を此処につれてくるなんて、
そう思っているのだろう。
リリーは嬉しそうにジェームズとに話し掛け、
ジェームズがリリーの隣の席、
つまりリーマスの前の席で
は不味い事にシリウスの向かい席に座っていた。
シリウスはを見つづけていたため、
一瞬目が合ったがは気まずそうに視線をすぐに逸らした。
それが、シリウスの苛立ちに拍車を掛けるとも知らずに。
シリウスは其の後も、
ずっとを見ていた。
それからはリリーと握手を交わし、
それから話は「ジェームズとは似ている」
という話になっていった。
そんな話の中でも、
シリウスは一度も口を開かなかった。
「そうだよね、言われてみれば君とジェームズって
よく似てるよね。
始めてみた時は青ざめてて良く分からなかったけど。」
そんなシリウスの不機嫌さを解っているはずのリーマスが
ふと声を出した。
シリウスが話すきっかけをつくろうとしているらしい。
はリーマスの方に顔を向けると、
訝しげに目を細めた。
其の姿が、何故だか神秘的で。
「あ、別にジェームズみたいに間抜けな顔って言ってるわけじゃないから。」
クスクス、とリーマスは笑った。
その笑顔に、
はふ、と微笑みを零した。
それからピーターはの瞳を好きだ、
と言い、
は本当に嬉しそうに笑ったが、
俯いてしまった為、を見ていたシリウス意外に
その笑顔を見るものは居なかった。
シリウスの中で、嫉妬に似たカンジョウが芽生える。
に向けるみんなの笑顔が、
優しいの雰囲気を受ける、が。
その、和やかな空気を壊したのは、
紛れも無い、シリウスだったのだから。
「お前、何者だ?」
気が付くと、シリウスはをののしる形になっていた。
と目が合う。
そう、其の目が気に食わない。
無言で手を引っ込めるの腕を掴んだ。
「・・・離してくれないか?」
は眉間を細めて呟いた。
あぁ、其の目が嫌いだ。
蒼い、何処までも澄んでいる其の瞳。
「俺の質問に答えたら離してやるよ」
気に食わなくて、
力をこめた。
の整った顔が苦痛にゆがむ。
腕を引こうとするけど
それを許さなかった。
は唇をかんで
小さく何かを呟くと、
その様子に気がついたジェームズが
シリウスの腕に手をかけた。
シリウスは一瞬だけジェームズを見ると、
視線を苦痛の表情を見せるに戻した。
「シリウス!」
リーマスも慌てたようにシリウスを止めるので、
シリウスは思い切りの腕を持ち上げ、
立たせた。
「応えろ。」
声が、低かった。
「・・・・・」
は唇を噛締めただけで
何も言わなかった。
其の姿に、
何故か自分が悪者扱いをされているようで
思い切り、の頬を殴っていた。
ドン、という音がして、
は地面に倒れるようになっていた。
頬は紅くなって、口端に紅い血が流れる。
其のを抱え起こし、
ジェームズはシリウスを目で制止させる。
リーマスは殴りかかろうとするシリウスを止めていた。
視線はを捕らえ、
もシリウスを見ていた。
が何かいいたそうに口を開いたが、
言葉は出てこなく、
悔しそうに視線を逸らすと
大広間から走り去っていった。
ジェームズはずっとシリウスを睨むように見ていたが、
やがてリリーに「すぐ戻る」と告げて
を追って大広間から出て行った。
シリウスは荒々しくイスに座ると、
リーマスも座った。
何があったのか聞くリーマスに、
ほんの少し罪悪感を感じながら
冷静を取り戻したシリウスは悔しそうに
「あの目が・・・気に入らなかった。」
初めて会ったあの日から。
あの青い目が自分を恐れているように見えて仕方ない。
この、俺をだ。
それが、腹立たしくもあり・・・
存在を認めようとしない自分にも。
其の日から、
はシリウス達は愚か、
誰とも会話をしなくなった。
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シリウス視点。
ねたが無いよ〜
ダントツ一位ですね、この夢・・・
修正/3.28