A story was ended,
and will a story is started.
It was fate・・・・

物語ハ終ワリ、
ソシテ物語ハ始マル。
ソレハ運命・・・・







風化-00-
-The beginning of another story.-











桜咲き乱れる春。


校門のすぐ傍にある大きな桜の樹は、
今年も見事に咲き乱れていた。

その周りには、緊張する姿が初々しい少年少女達―――
つまり、新入生が両親に連れられて
受付が始まるのを待っていた。





「わぁ・・もうこんなに集まってるんだ・・」




その横を少々急ぎ足で通り抜けた人物――
ふふ、と軽く笑いを零した。


「懐かしいなぁ。もう2年も経ったんだ・・・早いよね。」


自分もいつか、こうして緊張しながら
受付が始まるのを待っていたときがあった。
2年前。
これから始まる中学生活への期待と、不安と。
そして、“あの人”を知らなかった


2年前は。



























が受付の席に座ると、
間もなく新入生が緊張した面持ちで入ってきた。


は愛想良く微笑みかけながら
名簿に丸をつけ、胸のあたりにリボンをつけてゆく。




「はい、中学生活頑張ってね。」




受付を始めて何人目か。
大分やってきた作業に疲れを感じ始めた頃。


長い髪を三つ編みにした女の子が緊張して
顔をこわばらせていたので、
はゆっくりと微笑みかけた。

其の女の子は嬉しそうにはにかむと、
ペコリと頭を下げて走っていった。


はその後姿を見て微笑む。





「ふふ、あの子可愛いなぁ。」







しばらく見送って、
左手に持った、名簿を見、
そして次の人の名を呼んだ。






































「・・・はぁ、疲れた。」





受付を始めてから一時間ほどして
受付は終了した。

は軽く肩を回すと、
廊下の窓に歩み寄った。


其処からは、今式が行われている体育館が見える。





は、片付けをする役に名乗り出た。

式に出れば、厭でも“彼”を見てしまうし、
声も聞いてしまう。


しかし、片づけをしていれば式に参加しなくて良い。

にとって、
今“彼”・・・手塚を見ることは辛い事だった。









丁度今から三ヶ月ほど前。


学校帰りには手塚に別れを告げた。


は手塚の心がもう、自分には向いていない事を知っていた。




だから、余計辛かった。













「・・・国光・・・。」












誰もいない廊下で、
もう、そう呼ぶことを許されなくなった名前を呼んだ。


頭ではわかっているのに。
心が、彼を求めてる。













は、屋上へと脚を運んだ。






























「あー…」

は、今は式の最中だから、
普段は見張りの先生が居て入れない屋上に居た。

フェンスに寄り掛かって空を仰ぐ。
暗く、沈んだ心とは裏腹にペンキをこぼしたように真っ青な空が何処までも広がっていた。


「だめだなぁ…私」




あの人と別れてからもう何カ月過ぎたろう。
もう、あの人は私じゃない人を見ているというのに…幸せそうなあの人を見るのが辛くて。

何処までも、あの人の視界に映らないように必死に隠れている自分が、
正直おかしかった。


「何でかなぁ」




別れを告げたのは自分。
なのに未だにあの人を忘れられない。
断ち切ったはずの想いはますます募るばかりで。
そんな自分がやるせなかった。




「…ぅっ…」




あの人は今ごろ何をしてるんだろう?


挨拶を終えて彼女の所に居るんだろうか…

私の前で役目を終えたあの微笑で。







…そんな事ばかりが頭の中を駆け巡り、
また、涙が止まらなくなる。





「…ホント、ウザイ女だな…私って…」



涙の中から見上げた空は、
自分の中の醜い魂とは裏腹に、
そう、
皮肉なほど晴れ渡っていた。



その時、誰かが屋上の、
入り口から自分を見ていたなんて気付いてなかった。





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手塚夢からのつながりです。
シリアスに行くので、よろしくです。