G l o r i a
君に栄光あれ
真青な空の下で
俺の心は脆弱に悲鳴を上げていた。
理由はとても簡単。
どこかの学校の名前を借りるなら
それは青春の一こま。
好きだった子が
友達と付き合いました。
しかも告白の現場を見てしまいました。
つまり、格好が悪い
失恋をしたわけだった。
「っかー・・だりいのぅ・・・」
バタリと倒れ込んだ屋上のコンクリート床は
思ったより冷たかった。
こんなにも、
胸糞悪いほど晴れ渡った青空でも
12月の冷たい世界には抗えないらしく。
うつ伏せで触れた冷たさが
ジワジワと制服を浸透して肌に伝わってきた。
その感覚に、ガラでもなく
鳥肌が立って。
思わず起き上がって
でもやっぱりだるくて。
太陽の温かい光を背中に浴びるように
フェンスに寄りかかった。
背中は温かい。
でも、尻はやっぱり冷たかった。
「とんだペテン師じゃの・・・」
好きなコの前で
好きな事をばれないようにするのは得意だった。
だけどそれが裏目に出たらしく。
彼女は俺を見てはくれなかった。
「 」
あぐらをかいた足に視線を落として
なんかの呪文のようにその名前を言う。
でも、何かやっぱり味気ない。
「 」
めったに呼んだ事の無い下の名前。
いつか言いたいと思ってた矢先。
君が幸せそうな顔をしていった。
『仁王、聞いて!!私、比呂士と付き合うことになった!!』
その名前はもう呼び捨てだった。
俺の記憶が正しければ
昨日までは、部活が終る前、
HRまでは苗字で呼んでた。
それが何だか悔しい。
何で、俺じゃないんじゃ。
何で、柳生なんじゃ。
後悔先に立たず。
衝撃の告白を聞いた瞬間
ばあちゃんが昔言ってたことわざを思い出した。
キーンコーン・・・
チャイムがなった。
あと5分くらいしたらクラス委員の齋藤が
俺を探しに来る。
そして凄い形相で怒るん。
そんなちょっとした優越感すら心地良い。
「おめでとさん」
俺はペテン師だから。
こんなきったない感情見られたくない。
だから俺は笑って云った。
君に栄光あれ。