※この先は、
 一部とてもグロテスクです。エロじゃないです。
 痛いことを描写させて頂いてます。
 そういうのが苦手な方はご遠慮ください。















見上げた空はこんなにも美しいのに。
風になびく蒼い葉はこんなにも凛としているのに。
どうして、僕だけがこんなにも醜い感情を
抱かなくてはならないのだろう。




想曲.02





















『ハリー、聞いたかい?
 とうとうを手に入れたってさ!』





イヤダ




あんなに頑張ってたんだもの。 
 2人はお似合いよね。』




ヤメテ




も結構本気みたいだったよなぁ。
 2人がくっついてこっちも安心したけどさ。』






ソレイジョウ
ボクニイワナイデ






『俺、あいつがまじめに告ったとこ、
 初めて見た!まぁ、あんなに真面目に言われれば・・・なぁ?』






キキタクナイ





























「ねぇ、
 本当に・・・・付き合ってるの?」











「え・・・っと・・・・
 うん。」
















『私たち、付き合ってるよ。』




























ヤメテ
ボクハキキタクナイ、
キキタクナインダ―――・・・!!!





























「・・・っ!!!」






















暗闇から光が得られた。


どうやら自分は寝てしまったらしい。















良く廻らない頭で
周りをぐるり、と見渡した。
















微かにざわめく部屋。


自分を取り囲むように並ぶ本の山。

















あぁ、そうか。
此処は図書室。






まだ終らない宿題を終らせようと
図書室に来たんだっけ・・・・。


















ハリーは枕代わりに頭を乗せていた
自分の腕をどけると、
まだ埋っていない白紙の羊皮紙が出てきた。


















ハリーはくしゃくしゃと
癖毛の髪の毛を掻くと羽ペンをインクに浸した。

























ぱらぱらと、
参考の本だけがめくられる音がする。


ハリーは、全くそのページを見ていなかった。
否、正確には見ていてもそのページを通り越して
何処か遠くを見る、

そんな目つきだった。




















頭に響く、あの会話。







『ねぇ、・・・・
 本当に付き合ってるの?』







そう聞いたのは自分。






過去の自分。








『うん。私たち、付き合ってるよ』






そして、その問いに
は顔を高潮させて応えた。



その時の表情は憂いを帯びた表情で、
最高に幸せそうで、最高に美しかった。


























“あぁ、嘘じゃなかったんだ。”


































あの時感じた感情は、
正常なものではなかった。



寂しくて、苦しくて、
を憎む気持ちと
に気持ちを伝えられなかった
自分に腹が立つ感情と。







憎悪してゆく汚く、醜い感情が

自分の心を蝕んでゆくのを




「よかったね、おめでとう。」





そう言って、
笑顔で隠した。

















それでも、
自分は善人でいたい、と――。





















「・・・・駄目だ、集中できない・・。」























ハリーはぽつり、と呟くと
片付けて自室へと戻った。


















どさっ、とそれをベッドに投げると、
べたべたする汗を流す為、
部屋についている風呂に向った。





























きゅっと蛇口をひねると、
冷たくも熱くも無い水が降ってきた。















ハリーは目を閉じて
落ちてくる水に顔を向ける。


























『僕、に告白したんだ。
 そうしたら、は受け入れてくれたんだ。』


『うん。私たち付き合ってるよ。』












ジャージャー流れる水の音の中に
2人の声が聞こえる。













「・・・・ッくそ!!!!」

























ガンッ!!
と凄まじい音がした。







ハリーの右手は鮮血で染まっていた。








壁に伝う、ハリーの紅い命の液体。
















生臭いような鉄臭さが浴室を満たした。































「どうして・・・・」










ハリーは血の流れていない手で顔を覆った。

















「どうしてもっと早く手に入れなかった・・・?!」












もしかしたら変わっていたかもしれない。






この醜い感情を抱かずに済んだかもしれない。















「もっと早くに・・・・どうして伝えられなかった・・・?!」



















そこまで自分は臆病だったのか。










ヴォルデモートと戦った自分の勇気は
一体なんだったのか。







憎しみ?
両親を奪われた事に対する悲しみ?








そんなに醜い勇気だったのか。



















「・・・どうして・・・・」














胸が苦しい。
張り裂けてしまいそう。









涙が、止まらない。


















「・・・・・・っ!!!」














名前を呼んでも君には届かない。
名前を呼んでも君は僕を見ない。










君の隣にいるのは
僕じゃない。
































・・・。」


























今は、右手の痛みなんて、どうでもよかった。



心の奥がソレイジョウに痛くて






































死ンデシマイソウダッタ。



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うひぃ――、痛いっ!!
何か、ハリー君が壊れてきてしまってるようです。


いやねぇ、
人って、自分の魂を捨ててしまえるほど
大切なものって無いような気がしてきました。
愛とか、友情とか。
その形は人それぞれですが、
その人が本当に魂よりも大切にしているモノは
なくなってしまったり、他の人のものになってしまった時、
人間は狂ってしまうものなのだろうか。
そういう疑問が浮かんでは消えてゆくんです。



人間の心は難しいですね。